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【コラム2-5】ビジネスのあらゆるシーンで活用できるフレームワーク、ロジックツリー

本コラムは転換期を迎える現代のビジネスパーソンのために「考える」をテーマにしたトピックを毎月お届けしています。

前回はロジカルシンキングにおける基本概念であるMECEについてお伝えしました。

【コラム2-4】MECEとは?ロジカルシンキングの基本概念

今回は物事を論理的体系的に整理し、筋道を立てて考える思考法であるロジックツリーについてご紹介します。

ロジックツリーとは?

ロジックツリーは事象の分析、問題の原因特定や目標設定、解決策に至るまでを論理的に考える時に役立つフレームワークのひとつ。

例えば「来店数の減少」という問題の解決や「利益を増やすにはどうすればよいか」といった戦略・戦術づくりをするときに有効です。

ロジックツリー では、考えを整理する際にまず目的をしっかり再確認することがポイントです。その上で、要素を分解しながらツリー状に整理していきます。MECEにすることも忘れずに分析しましょう。

目的ごとのロジックツリー活用

要素分析

別名「Whatツリー」とも言われ、ある物事をその構成要素で分解する時に使う手法です。
要素分析では、整理すると同時に「問題の大きさの特定」することも可能。物事の要素をどんどん分解していき、要素を網羅的に把握するためにこのロジックツリーが役立ちます。

例えば売上の構成要素を考える時、「国内事業と海外事業」や「BtoB向け商材とBtoC向け商材」といった要素に分解し、さらにそれぞれ「平均顧客単価」と「顧客数」に分類することで売上を構成する要素をMECEに分解できます。

原因分析

別名「Whyツリー」と言われます。これは、問題の根本原因が何なのか明らかにすることを目的に、因果関係で分解していくロジックツリーです。ある問題をスタートに「それはなぜ?」を繰り返しながらツリーを展開していきます。

ここでもMECEな分類を忘れないでください。例えば利益の減少を分析する際には、売上の減少と合わせてコストの増大についても考えていきます。あらゆる原因を想定し整理することで、自分が当初は思い当らなかった原因にも気付きやすくなるメリットも。

イシューツリー

別名「Howツリー」と表現されるのは、このロジックツリーが「問題解決策の立案」と「優先順位付け」を目的としているためです。

解決したい問題に対して「〜したい」という改善策を挙げていく形をとります。問題を取り上げるという点でWhyツリーと酷似していますが、こちらは今後のアクションに直結する活用方法を分析していくため、目的が異なります。

イシューに対して問題解決策を漏れなく抽出し、かつ対策の優先度を加味して検討していくことがイシューツリーの役割です。実際には下の例よりもさらに詳しく検討し、具体的なアクションがとれる段階まで分解します。

ロジックツリーは、構造も単純でフレームワークにおいては基本的なツールですが、なんとなくで使うと効果が半減してしまいます。常に目的をしっかり認識することを忘れないで下さい。

このロジックツリーの手法は、ビジネスシーンだけでなく「健康的な生活を送るには」といった私生活においても取り入れることができます。MECEの訓練と同じく普段の業務や身近なことでも数をこなし、よりスピーディーかつ論理的に分析が進むよう活用していきましょう。

次回からはロジックツリーの種類ごとに、より詳しくご紹介していきます。