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【コラム3-1】ミドルマネジメント層に求められる思考とは

本コラムは転換期を迎える現代のビジネスパーソンのために「考える」をテーマにしたトピックを毎月お届けしています。

前シリーズでは、全12回で若手社員向けに企業の中核人材たる問題解決能力を育む思考法やフレームワークをご紹介してきました。

今期はミドルマネジメント層へ向けてお送りする新シリーズ。

20代後半〜30代半ばのミレニアル世代が部下となり、さらにZ世代が入社し始めました。コロナ禍でリモートワークも浸透し、ますますマネジメントのしにくさを感じていませんか?

こういったミドルマネジメント向けに、シリーズ前半は「リーダーシップとコミュニケーション」、後半は「マネジメントと組織開発」をテーマに考え方をお伝えします。

やっておいて、で部下は動かない

以下のような上司に心当たりはありませんか? もしくは、自分自身がついやってしまってはいないでしょうか。

  • 「これを読んでやっておいて」と資料を渡すだけで教育放棄する
  • 一度は教えるものの、その後は放置してしまう
  • 部下の質問に時間を取られたくないため、そもそも質問を受け付けない
  • 教えたけど要領を得ないため自分でやった方が早いと考えて、自分でやってしまう
  • 部下がやった結果を批判してしまう

「部下がいつも指示待ち状態で困っている」と嘆いている方もいるでしょう。しかし、問題は部下の側だけにあるとは限りません。

山本五十六の格言の ”続き” 

指導者の心得として有名な山本五十六の格言。この有名なフレーズは誰しも聞いたことがあるでしょう。

 

やってみせ

言って聞かせてさせてみて

誉めてやらねば人は動かじ

 

それでは、この続きをご存知でしょうか?

 

話し合い

耳を傾け承認し

任せてやらねば人は育たず

 

やっている

姿を感謝で見守って

信頼せねば人は実らず

 

最後まで言える方は意外と少なく、ここに現代のミドルマネジメント層にも習得いただきたいエッセンスが詰まっています。

まずは自身が手本となって「やってみせる」こと。これによって部下は心理的に安心し、まだよくわからない業務にも見通しをつけることができます。手順だけでなく「なぜ」の部分についてもしっかり伝え、「させてみせ」「ほめてみせ」ることで成功体験を与えます。

次のセンテンスでは行動させるだけでなく傾聴し対話し背中を押してあげることで部下の成長を促すアプローチが示されています。

過去記事紹介:ダイアローグ

【コラム(10)】対話を通じてイノベーティブな組織をつくるには

部下へ「任せる」ことを面倒に感じて自分がやってしまったり、つい責任の少ない仕事ばかりを任せて成長のチャンスを奪ってしまう人もいるでしょう。

指示するだけで放置せず事前の質問に答えたり、しっかりお互いの認識合わせをした上で任せてみる。

最後のセンテンスは部下の成長だけでなく、部下の仕事を信頼し、更にはお互いの信頼関係を築いてこそ成果となる視点が示されています。

近年、特に重要視されているのが職場の「心理的安全性」です。現代の若手社員を育成し、主体的な行動を促すには必須といっても過言ではないでしょう。

新時代にあるべきリーダーの姿とは

リーダーシップにおいて大切なことを簡潔に表した山本五十六の格言。時代を経ても色あせず、むしろ今の時代にあるべきリーダーの姿を表しています。次回は現代のミドルマネジメント層が心得ておきたい心理的安全性についてご紹介します。