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【コラム(6)】新たな発想のための思考

本コラムは転換期を迎える現代のビジネスパーソンのために「考える」をテーマにしたトピックを毎月お届けしています。

前回は「全く何も無いものを創造する思考」についてお伝えしました。

【コラム(5)】全く何も無いものを創造する思考とは

「VUCA(※)」の時代と称される現代において、いかに創造思考が必要か。しかし、頭ではいくらわかっていても実践するのは難しいもの。イノベーティブな思考であればなおさらです。

今回は「+1」した「誰も知らない」領域を考えること、イノベーションを生み出す「世界にまだ何も無いものを創造する思考」の例としてTRIZ(トゥリーズ)という、膨大な特許分析から生まれた理論における代表的な発想支援ツールをご紹介します。

※「Volatility(激動)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(不透明性)」の総称

TRIZとは?

「発明的な問題解決の理論」を意味するロシア語の単語「 Teoriya(理論) Resheniya(解決) Izobretatelskikh(発明的) Zadatch(問題)」の頭文字がその由来です。

革新的な特許の数々から共通項を分析して完成した理論である、TRIZ。イノベーティブな発送を行うためのプロセスが体系化されています。

矛盾問題を克服する、発想の切り口を見つけよう

問題には、ある特性を改善すると、別の特性が悪化する」という矛盾(背反)を抱えていることが多くあります。

一方で、イノベーティブな特許技術の多くは、この背反特性を新しい発想によって解決しています。

TRIZが行った膨大な特許事例の分析結果によると、いかなる業種や技術分野においても矛盾問題を克服する共通の “発想の切り口” が見つかりました。それが「40の発明原理」で、新たな発想を生み出す切り口として活用されています。

  1. Segmentation (分けよ)
  2. Taking out (離せ)
  3. Local quality (一部を変えよ)
  4. Asymmetry (バランスを崩させよ)
  5. Merging (2つを併せよ)
  6. Universality (ほかにも使えるようにせよ)
  7. “Nested Doll” (内部に入り込ませよ)
  8. Anti-Weight (バランスを作り出せ)
  9. Preliminary Anti-Action (反動を先につけよ)
  10. Preliminary Action (予測し仕掛けておけ)
  11. Beforehand Cushioning (重要なところに保護を施せ)
  12. Equipotentiality (同じ高さを利用せよ)
  13. ‘The Other Way Round’ (逆にせよ)
  14. Spheroidality – Curvature (回転の動きを作り出せ)
  15. Dynamics (環境に合わせて変えられるようにせよ)
  16. Partial or Excessive Actions (大ざっぱに解決せよ、一部だけ解決せよ)
  17. Another Dimension (活用している方向の垂直方向を利用せよ)
  18. Mechanical vibration (振動を加えよ)
  19. Periodic Action (繰り返しを取り入れよ)
  20. Continuity of Useful Action (よい状況を続けさせよ)
  21. Skipping (短時間で終えよ)
  22. “Blessing in Disguise” or “Turn Lemons into Lemonade” (よくない状況から何かを引き出し利用せよ)
  23. Feedback (状況を入り口に知らしめよ)
  24. ‘Intermediary’ (接するところに強いものを使え)
  25. Self-service (自ら行うように仕向けよ)
  26. Copying (同じものを作れ)
  27. Cheap Short-Living Objects (すぐダメになるものを大量に使え)
  28. Mechanics Substitution (触らずに動かせ)
  29. Pneumatics and Hydraulics (水と空気の圧を利用せよ)
  30. Flexible Shells and Thin Films (望む形にできる強い覆いを使え)
  31. Porous Materials (吸いつく素材を加えよ)
  32. Color Changes (色を変えよ)
  33. Homogeneity (質を合わせよ)
  34. Discarding and Recovering (出なくさせるか、出たものを戻させよ)
  35. Parameter Changes (温度や柔軟性を変えよ)
  36. Phase Transitions (固体を気体・液体に変えよ)
  37. Thermal Expansion (熱で膨らませよ)
  38. Strong Oxidants (「そこを満たしているもの」のずっと濃いものを使え)
  39. Inert Atmosphere (反応の起きにくいものでそこを満たせ)
  40. Composite Structures (組み合わせたものを使え)

矛盾を抱えた問題を、これら40の項目と照らし合わせながらアイディアを考えていきます。

次回からのコラムは、自ら”考え”行動する「自律」について。人が自律的に動くには、組織のパフォーマンスを増大させるにはどうしたらいいのかをご紹介してきます。

皆さんにとって2020年はいかがだったでしょうか?

あるべき姿に向けた、実行可能な計画・施策を立案することができていますか?
実現可能な計画が絵に描いた餅になっていませんか?
計画された成果が得られていますか?

シンキングパートナーズでは、これら「考え」「実行」「結果」が確実に実施できる様にご支援いたします。

どうぞ良いお年をお過ごしください。